雑記
「ユニーク化やCP配分による自由なキャラクタービルド」の後押しもあって、もともと自由なキャラクターを作成できるTRPGの中でもさらに自由度が高いクエストノーツだが、それぞれのクラスが戦闘で求められる役割というものは存在するだろう。
開発ブログ記事やフィードバックへの返答メールから、ロール制を意識したゲームメイクを行っていることが伺える。
直近では自分のキャラクターは「アタッカー、ディフェンダー、サポーター」のどれに属するかの意思表示が行えるようになった。
……とは言え、やはりクラスにはその基礎となる役割が存在する。
これから逸脱したビルドはもちろん各自の自由とは言え何らかの形でそれを補わなければならない場面は増えるだろう。
(例.プロテを取らないアコライト、魔法を使わないメイジ、DEFもFLEEも低めでガーディアンを捨てたナイト、等)
なぜそれぞれのクラスに向き不向きがあるのか。
これはキャラクターに長所と弱点(必ずしも短所ではない)といったアクセントを付け足すことにより、それぞれのキャラクターが互いに助け合うことでピンチを乗り越えたりと、活発なロールプレイの後押しになるからではないだろうか。
ゲームにおけるクラス制の起源はわかりかねるが、例えばトリニティシステム(3ロールシステム)はまさにそれと言えよう。
そしてこの助け合いがうまく働くシステムは良いシステムと言えるし、それだけ仲間同士で助け合うゲーム体験を感じ取ることができる。
クエストノーツは、このロールシステムを扱う戦闘を組み込むのは正直なところ困難な挑戦だ。
原因として思いつくものを羅列すると
①Willの使用可能数が2から3に増えた
②PLとしてインゲームで過ごす時間や環境が少ない
①に関しては、PC側のダメージ出力がこれによりさらに増したことで、やろうと思えば殆どのクエストは無傷で突破可能、あるいはアタッカー一人の力で攻略できてしまう。
これについては道中でリソースを削るイベントを設けていくことで対処可。
シーフ、あるいはスペルユーザー以外では振ることの少ない知力ステータスを要求される罠や構造解析、宝物鑑定などの判定を優位に進めるためにここでWillやHPSPを消費させるような形だ。
*スライサー*
左右の壁から巨大な刃物が迫り来る!!
敏捷+アクロバット(+フォーチュン)
20以上で回避成功! 失敗した場合、50物理ダメージ!
のような罠を踏んだ時、敏捷低めのキャラクターであればWillを切らざるを得ないだろう。
クライマックス戦闘を前にリソースをある程度消耗させないと、魔物たちはWill3*4の暴力を前にものの数ラウンドで反撃する間も無くやられてしまう。
②について、NPCと冒険することでバランスの良いパーティを編成できるが、4人で遊ぼうとなった場合にそれぞれが遊びたいキャラクターを出して必ずしもバランスが良くなるとは限らない。
TRPGのオンラインセッションであれば、同じようにその場に集ったメンバーで遊ぶフリーセッションであっても、「私がヒーラーPCを出しますね」「ありがとうございます、お願いします」などのやり取りが可能。
しかし、ほとんどのプレイヤーはクエストノーツ内ではPLとして立ち回る時間は殆ど設けられず、メタ会話などもPC口調で会話が行われたりする形式が一般的だ。
また、ホットスタートが出来るわけでも無いなどの理由から、バランスの良い編成をその場で遊ぼうとして集った4人で完成させることは意外にもハードルが高い。
それ以外にも多くの要因はあるが、クエストクリアのハードルを下げるために、結局のところどんな編成だろうがクリア出来てしまうクエストが大半を占めている。
※そういったクエストが間違っているといった意図は全くありません※
わかりやすい例でいえば、アコライトが居なくてもクリアできるかどうか、は一つの分岐点になるだろう。
後日追記
特定のクラスが必須とまではいかないが、不足している部分で少しずつ不利を背負うことになり、じわじわとリソースが削られるようなクエストが現在の目標。
そしてその不足分を補うためのパッシブスキル(特性、フィート)を各ダンジョンのクリア報酬として選択権を手に入れて任意のものを習得して次のダンジョンへ……
今年の振り返り
早いもので今年も結びの時を迎えようとしています。
私がクエストノーツへやって来たのは2017年夏なので、来年で3年目になるみたいです。
クエスト
今年はなんといっても「古都エスタナ」を運営できたことが自分自身でも一番印象に残っています。
いったん更新を止めて別の企画に手を割いていますが、今もなお冒険の舞台として遊んでいただけているようで作者冥利に尽きます。
実はTwitterやDiscordで各ダンジョンの攻略状況を参照出来る外部ツール等を作っていたりしましたが、実用化には至りませんでした。
(ただこれら外部ツールは今手掛けているクエストにて公開する可能性があります。ランキングや冒険中PCの参照など)
[QuestNotes]「双蛇」の討伐依頼と、「双蛇」の討伐依頼
セッション風クエストも制作しました。
各種判定や情報開示、物語の展開をかなりセッションに近く寄せたもので、私の作品としてはかなり珍しいものになったと思います。
有難いことに、こちらも好評いただけたので、また気が向いたらこのジャンルも作りたいと思います。
[QuestNotes]Noxious Nightmare - αテスト
オリジナルスキルのみで構成した「クエストノーツ2」企画のテスト版。
クラス選択の演出に凄くこだわったのでそこだけでも体験してみてほしいです。
…これについては、既存スキルのアップデートが入る予定らしいのでそれを見てから今後開発を続けるかどうかの判断をするつもりです。
逆にクエストノーツの既存スキルのみで戦うとしてどのようなバトルをすればガチバトルになるか?と考えたときに私ならこうするよ、という回答を出した作品。
シミュレーションRPGのような戦闘が出来るものの盛り上がりに欠けたりマルチ向きではないなと感じたので今後の進展は無いです。
クエストノーツ、妙にSRPG寄りなシステムなもののTRPGが根幹にあるのでガチで組もうとするとなかなかうまくいかないんですよね。
公式で実装予定のオープンボードに期待…
PVP
・代理戦闘杯 初戦敗退
・エキシビジョンマッチ 一戦出場
・タイマンPVPリーグ大会2018夏 優勝
・第二回国盗り物語 優勝
・第八回PVPタッグトーナメント 初戦敗退
・第九回PVPタッグトーナメント 優勝
・第十回PVPタッグトーナメント 三位
・第十一回PVPタッグトーナメント 準優勝
・第十二回PVPタッグトーナメント 優勝
・第十四回PVPタッグトーナメント 初戦敗退
1on1 年間戦績 74勝 39敗 4分 (勝率 64.9%)
今年は出場できる大会はなるべく参加することが出来ました。
タッグトーナメントだけでなく、新たな試みなども多くて充実した一年でした。
集会場の4つのトロフィーのうち3つに名を連ねることが出来たのは今年一番の成果でしょう。
1on1は大会と模擬戦を含めたもので手元にメモが残っているもののみカウントしているので単純な回数はもっと多いはず。ドルイドとかダンサーで遊んでいた試合とか相手も明らかに遊んでいたものはカウントしていないので。
まあ自己満にしかならないのですが、好きなビルドで半分以上勝てて、引き分けもたったの4に抑えられたという結果に満足。
ちらほら呟いてはいますが環境の推移によりメイジ一強ではなくなり、15R判定ルールが浸透すれば結構色々なクラスで気軽に対戦できるようになると思うので、2019年はクエストはもちろん、PVPもさらに盛り上がればいいなぁ……
1v1のレート戦とか、4v4のチーム戦とか、陣取りPVPなども面白そうだなと考えています。
来年やりたいこと
実は、年明けからすぐに生活環境ががらっと変わって途端に忙しくなるため、クエストノーツにどれだけ時間を割くことが出来るかは難しいところです…
月に一つクエストを公開すれば循環し続けると発信した身ですが、なかなかそうもいかなくなりそうなのが大変申し訳なく…
それでもちまちまと制作を続けて、何かインパクトのある作品をひとつ公開できたらな、と考えています。
もし公開出来た際にはぜひ遊んでいただけたら……!
最後になりますがクエストもPVPも一緒に遊んでくださる方々がいてこそ成り立つ遊びです。
今年もありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。
新クラスの追加や既存クラスの調整など、公式アップデートもアツい今こそクエストノーツを始めてみませんか?
タイマンPVPリーグ大会2018夏 結果
優勝しました。
結果は10勝1敗1分の勝ち点21。
器筋感の三点振りウォリアーだったので、ほかのメレー陣が勝てなかったメイジ相手の3戦を制覇出来たのが勝数に繋がったのかな、と思います。
以下、各対戦のヒトコト感想
装備効果の代案。冒険者100人の装備統計の結果をうけて。
突然のお願いに快諾してくださったエヌサンに感謝。
冒険者100人の装備データを集計していただくことができました。詳しくはDiscord。
今回、冒険者の装備統計が欲しかった経緯
・装備人気の偏りを可視化したい
・属性武器は全く使われていない推測をたて結果を見て代案を用意したい
まったく触れられていないような装備をリストアップしたかったということですね。
結果からいくつか抜粋…
・剣カテゴリ(37/100)
・クレイモア(17/100)
・ロングソード(6/100)
・ブロードソード(6/100)
・レイピア(1/100)
剣カテゴリの半数以上はクレイモアでした。
ロングソード、ブロードソードはいずれも付加効果が優秀で、特にブロードソードは盾と装備してDEFを上乗せするシナジーがあるため妥当な結果。
付加効果「属性変更」のレイピアに関しては、1PCのみ。
同じく属性変更の装備の集計結果…
・スティレット(0/100)
・ハルバード(0/100)
・ブローヴァ(0/100)
相手に合わせて武器切り替えするために、サブウェポンとして持ち歩いているPCもいるかもしれませんが、仮説通りの結果でした。
レイピア、スティレット … クリティカル時、1d(2)直接ダメージを与える
ハルバード … スキル名がブランディッシュの場合、HIT+2する
ブローヴァ … HIT-1、ATK+1d+2
フランキスカのような特殊な付加効果を持つ武器がそれぞれのカテゴリにあってもいいと思うので、上記のような効果に差し変わると良いなぁ……。
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will使用回数+1がPVPやクエストにどう影響を及ぼすか
※この記事はwill使用回数が増えた、2018年3月に下書きされたものです。
※現環境についての考察は改めて後日公開予定です。
モリヲさんから放り投げられたので解説記事です。
PVPにおけるwillは、「相手がwillを用いたアクションを行ってきたら、こちらもwillを用いたリアクションで相殺させる」と言った使い方が主になります。
HPで受ける選択肢を取る場合もありますが、多くの場合は同じ数のwillを支払わないと気絶まで持っていかれてしまいます(アクション側としても、最低でもwillを吐かせたいと思っているはずなので)
例えば、will命中+6の攻撃に対して、will効果+6の回避を行う。
例えば、willAP-3の連撃に対して、willAP-3のリアクションを同回数行う。
例えば、will効果+12のダブショに対して、will効果+12のプロテクションを行う。
例えば、willSPD+1移動に対して、willSPD+1エンゲージを行う。(これは少し特殊な例ですが)
……など。
私の解説では、これらを「will交換」と呼びます。
will使用回数+1によって恩恵を受けたPCはどのようなビルドか?
・スリープメイジ(ポーレンドルイド)
・アーチャー
・ホリライアコライト
戦い辛くなったPCはどのようなビルドか?
・やや防御型(DEF9~15辺り。ATK3d+20を弾き切ることが出来ないタイプ)
・
リアクションを同数行えてもダメージを0に抑えられないタイプには苦しい環境になったと思います。
単純に、これまで飛んで来たバッシュやクイトリの回数が+1されるわけなので。防御リアクションを行っても10ダメージ近く通してしまうタイプは苦しい。
タイミングを外して接近かつきちんと命中させられるHITも備えたビルドがカウンターピックになるでしょう。
要はwill1つの交換では済まないようなwill交換を要求できるマッチアップを自力で作り出せるビルドが強力です。
(つまり依然として高HITメイジは強い環境ということですね)
他でいえば、ディフウォリ、高HITナイト、斧バーサーカー辺りでしょうか。
HIT捨て極ATK、あるいはHIT捨て高DEFメタだった部分が、やはり自分から当てることが出来る高HITを要求する環境になりそうですね。
クエストでは、PCが1ラウンドに出力できるバーストが増えました。
ものすごく単純に言ってしまえば、ダブショが1ラウンドに2回飛んできたものが3(4)回になりますし、バッシュが3回飛んできたものが4回になります。
PC一人当たりの算出ダメージが30~40点増加するので、パーティ単位でみれば1ラウンドの最大出力ダメージは100点を超えるほどに伸びたと言えます。
つまり単体ボスを配置しただけの戦闘では、これまでなんとか1ラウンドキルは耐えきっていたものがあっさり倒されてしまう環境になりました。
戦闘で適度に苦戦してほしいと考えているGMの皆さんは、エネミーのステータスを見直してみてください。
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支配率と勝率のお話
こんばんは。
今日は支配率と勝率の違いについて書きます。
QuestNotesのPVPではしょっちゅう話題に挙がるマッチアップですが、
「ウォリアー」vs「メイジ」はどちらが有利なのか。
という話題に関して、「2:8でメイジ」という答えが出たとします。(私も大体そんな感じだと思います
これについて、実はこのまま2:8という数字を受け手が受け取った場合、その解釈はばらつきが生じてしまいます。これがタイトルにあげたように、支配率と勝率、という2種の解釈が存在するということですね。
勝率での解釈はいたって簡単。
「10回戦ったらメイジが8回勝つし、100回戦ったらメイジが80回勝つよ」という、統計的な予測値。
一方、支配率で解釈した場合、
「ウォリ対メイジの試合では、行動のぶつけ合いの8割の展開でメイジが有利を掌握するよ」という予測値。
現環境では、ウォリが古樹装備を積むことはごく少数ですが、メイジは古樹のロッド、古樹のワンドが主流で、古樹のローブも採用しやすいため、多くのメイジがイニシアチブ・ブーストを習得している傾向にあります。
最も主流な1d3-1で開始距離を決定するルールの場合、約66%の確率でレンジ3以下、スリープ射程スタートになりますから、イニシアチブ・ブーストを含めて1R目からメイジが大きく有利を握る展開になります。
ウォリ側の具体的なカウンターアクションについては別の機会に紹介出来たらと思いますが、このように、2:8でメイジ側に有利な試合展開になる…という考え方が、支配率での解釈。
勝率、支配率の解釈を同時に考えてしまうと、意見交換はうまく行われない場合が多いです。
なぜなら、支配率が2:8でウォリ不利だったとしても、その残された2割の有利な展開を逃さずモノにできるウォリであれば、勝率は2:8ではなく5:5まで持っていけるでしょうし、もしかしたらその個人単位でみれば8:2までひっくり返している可能性だって有り得ます。
ウォリ対メイジのマッチアップに限らず、まずは支配率で自分がどれだけ有利(不利)を取れるかを考えて試合に臨みたいですね。
今回取り上げたPVPは一例にすぎず、あらゆる場面で複数解釈の差異は生まれますから、心に留めておきたいものです。
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